サプライズ！！

セフィロスを玄関まで見送った後、カッカッと火照る頬を落ち着かせようと、風呂に入ることにしました。

パジャマを取りに寝室に戻ると、そこにはモノのわかった風なダルメシアン犬が……

サプライズ！！

ですが、飛んだサプライズが……！！

なんとセフィロスは、ごちそうになったお礼ということで、綺麗な紅い花をプレゼントしてくれました。

ルー様はもう可哀想なほど真っ赤になってしまっています。

実はこの花、通り道のＫＨセフィロスの花壇から、勝手に摘み取ってきたものなのです。

ルーファウスのところを訪ねるのがおっくうだったので、まずはＫＨセフィロス宅を訪ねたのですが、不在でした。その当てつけとも言えます。

サプライズ！！

さりげない会話を楽しもうとするものの、セフィロスはいきなり「おかわり」です。

情緒もへったくれもありません。

サプライズ！！

セフィロスはプディングのことしか考えていませんが、ルー様はドキドキです。

サプライズ！！

そこはルー様。

かつて思慕の念を抱いた相手にも、努めて冷静を装い、夕食をごちそうしました。

そしてちょうどよく届いたプディングも切ってあげます。

セフィロスは遠慮の「エ」の字もありません。

サプライズ！！

な、なんとそこにはＡＣセフィロスがクソ偉そうに突っ立っていました。

さすがに予想外の展開です。

いつもは落ち着き払ったルー様も、ややどもりがちに応対しています。

対して傍若無人のセフィロスは、堂々とメシをタカリに来たと宣います。

きっとクラウドが、昨日のことを同居人のセフィロスに話したのでしょう。

「ヴィンセントいないし、食ってきたら？」とか言われたのかも知れません。

自分で炊事などしたことのないセフィロスですから……

サプライズ！！

ルー様はワンコよりも猫派の御方です。

人なつこくて可愛らしい黒猫を撫でてやると、猫も嬉しそうに喉を鳴らします。

ちょうどそんなときでした。

死角になった方向から、無遠慮なフルネーム攻撃が飛んできたのは……

サプライズ！！

クラウドタイフーンが過ぎ去った翌日……いつものようにルー様が別邸の庭掃除をしていました。

坊ちゃん育ちですので、基本的に衛生的な場所にしか住まうことができません。

きちんと玄関先の落ち葉を箒で掃いていたときのことです……一匹の黒猫がやってきました。

思わず手を止め、黒猫を見つめるルーファウス。

なぜなら、そこらに転がっている野良とは異なり、とても美しい漆黒の毛並みをしているのです。

しかも双眸は深いワインレッド。

美しい猫ちゃんに、思わず語りかけるルー様でした。

ルー様の葛藤

翌日、呼んでもいないのにいつものように動物たちが集まってきていました。

なぜかまたもや大きな黒い子とマダラの子もいました。

二匹ともしっかりとゴハンを食べたらしく、のんびり庭で微睡んでいたのです。

ルー様は昨夜からずっと考えていたことを、何気なくマダラの子に漏らすのでした……