ルー様とゼムナチュ

ルー様はこのおうちではてきぱきとお掃除をします。

いつもはお付きのツォンさんがいますが、この秘密の隠れ家ではひとりなのです。

ゼムナチュはゴミ捨てにいくルー様にくっついてきました。

そのとき、ようやくルー様は、以前一度一緒に遊んだことがあった、マダラワンコだと気づきました。

ルー様とゼムナチュ

ブランチ中もルーファウスの側を離れないゼムナチュ。

ゼムナチュはワンラグナに置いてけぼりにされてしまったのです。

ゼムナチュはひとりではおうちに帰れません。だから、ルー様の側を離れるのは怖いのです。

そしてお腹も空いてきてしまったのでした。

ルー様とゼムナチュ

ワンラグナを泊めた翌日……ルー様は９時過ぎにのんびりと目覚め、朝風呂を浴びました。
　
しかし、いつの間にかベッドで寝ていたワンラグナの姿がありません。

きっと、早めの時間に帰ったのでしょう。その証拠にワンコ用のトレイが空になっていました。

ルー様がお風呂に入っていると、一匹の小太りなワンコが入ってきました。

よくよく見ると身体が大きいだけで赤ちゃんワンコのようです。

この子は昨夜ワンラグナの周りをうろちょろしていた子犬でした

ワンラグナとルー様

ルー様とワンラグナはともに夢の世界へ。

初めて泊まる場所なのに、ワンラグナは、堂々とベッドのかったぽを要求し、ルー様と一緒にお布団で眠りました。

ワンラグナは、待遇のよいこの場所へ、また坊ちゃんの相手をしに来てやろうと考えていました……

ワンラグナとルー様

ルーファウスとワンラグナが一緒に遊んでいましたが、仲間に入れてくれそうにありません。

ゼムナチュは、静かにお部屋を出ようとしました。

もうお外は真っ暗になっています。

ゼムナチュはひとりでおうちに帰ることはできません。

しかたなく、ルー様のおうちのお台所で寝ようと決めました。

あそこなら隠れて眠れる場所がいくつもありそうだったからです。

ワンラグナとルー様

お腹が一杯になって眠くなったのでしょう。

図々しいワンラグナは、泊めてくれと言い出しました。

もちろん、ルー様は喜んで泊めてあげます。

それだけ一緒に遊べる時間が増えるのですから。

しかし、ゼムナチュには何も言ってはくれませんでした。

ワンラグナとルー様

なぜかルー様は、ワンラグナが気に入ってしまったようでした。

お調子者のワンラグナは、とうとう夜ゴハンまで御馳走になり、ルー様と遊んでいます。

いくら隠れ家とは言っても、日がな一日ひとりではやはり退屈してしまうのでしょう。

ワンラグナはルー様にとって、良い遊び相手になったようでした。

ゼムナチュもラグナ犬について、部屋の中に入ってしまいましたが、誰にも見向きもされませんでした。

ワンラグナとルー様

しっかりボールを運び、ルーファウスに渡すワンラグナ。

ルー様は素直にラグナ犬を誉めました。

ゼムナチュは「自分も出来る……」と思いながら、つまらなさそうに後ろから眺めているだけでした。

ワンラグナとルー様

すぐにボールをくわえて戻ってくるワンラグナ。

ルー様はやさしく微笑んでラグナを待ちます。

ゼムナチュは「いいな」と思いましたが、「ゼムナチュも出来る」と主張はしませんでした。

なぜなら、ゼムナチュはいつでも出来るわけではないからです。出来なくなることもあるのです。

ＫＨセフィロスの前でならできることが多いですが、それ以外の人の前ではあまりやったことがないのでした。